令和元年6の歌会より

凄まじい滝音聞いて胸おどる生きてる地球我もまだまだ     スナメリ

海の子ら釣竿をさげプロ並みのスタイルで釣るカレイアイナメ  三星ヒカル

我が庭に真紅のバラが咲き誇る赤い情熱我に与えよ       イタヤンマン

あゝもしもカリブ海ツアーに行ったなら国に帰るを忘れてしまう 笹谷逸朗

父の日に寄せて持ち歌考える昭和の香り昴秋桜         大須賀 章

それぞれの一日を乗せ去りゆきぬ車窓朧げ終電の駅       いつつばし

「みちのくの中心です」と老ガイド平泉郷ひかりまばゆし    晴

六月の黒い畑にねころびて真珠の玉葱空をみつめる       まさこ

早乙女が並んで田植の光景は画像の世界昭和は遥か       小町

補聴器をつけて楽しむカラオケに聞こえ調節スマホで操作    水すまし

誕生日祝いの花は薔薇一輪強い香りが胸まで届く        縁寿

 

令和元年5の歌会より

槻の木の葉の影ふかしそよろ吹く五月の風に遠き笛の音    笹谷 逸朗

豆の花白き蝶々の形して五月の風にひらひら泳ぐ       まさこ

錆びついた線路が伸びる飯田線礼して降りる学生二人     いつつばし

遊歩道桜のトンネルくぐり抜け多摩湖に向かい心地良き汗   水すまし

蕉翁の足跡辿り多賀城を五月雨の中縦横に歩く        晴

阿呆かいな令和令和と騒ぎ過ぎどこが変わった皆んなの暮らし イタヤンマン

鉛筆を転がし五択答えたるそれでも生きれた私の人生     小町

田植え終え早苗がそよぐ初夏の風温んだ水で蛙が遊ぶ     縁寿

昼下がり東和の町の毘沙門天キツネとカモシカ参道を行く   大須賀 章

春の海のたりのたりと猫島へいざなうわれも猫じゃらし持ち  三星 ヒカル

 

平成31年4月の歌会より

二百年生きた命を繋ぎおり切り株の根に楡のひこばえ     いつつばし

桜花空気が冷たくかわいそうその下で飲む熱燗旨し      スナメリ

陽光の下花芽摘む小松菜に小カブせいさい菜混ぜ味噌汁へ   笹谷 逸朗

ボランティア通う小径に茶色猫帰りは黒猫春陽にまどろむ   まさこ

鳥帰り広瀬の河は無音にて今しばらくの草ふみを待つ     晴

さわさわと唄うが如く梅田川耳そばだてて桜の揺るる     小町

東京に思わぬ春の淡雪が童楽しげお口で受けて        水すまし

さくら花散りゆく花のひとひらに老いの我が身に行く末想う  縁寿

春爛漫愛子の宿の標柱の先に西山臥龍梅あり         大須賀 章

私なら華やか過ぎる桜よりあなたに似合う鈴蘭が好き     イタヤンマン

校庭に桜が似合う喜びも悲しみもありはらはらと散る     三星 ヒカル

 

平成31年3月の歌会より

父の短歌一つも無いと言われも厳しさばかり寂しく浮かぶ   イタヤンマン

救急の待合室にピンポンとエレベーターの音のみ響く     まさこ

防潮堤先に黒鳥憩う朝蒲生干潟に葦牙の萌え         大須賀 章

春一番バス待つ人は襟たてて蹌踉ける足元タップのように   水すまし

背なの湯気煙草の煙と昇りゆく冬晴れの屋根雪かき一服    いつつばし

去年師走いぶかりながらキヌサヤを蒔きし一条の畝に春陽が  笹谷 逸朗

青空にスーッと伸びた緑の芽良かった生きてて梅の古木が   スナメリ

一羽だけ離れて遊ぶ白鳥が餌を求めて静かに近よる      縁寿

雨水の夕しとしと降れば傘の波駅の中へと吸い込まれゆく   小町

畑仕事あなた想いて力出す胸まで熱き寒々の朝                            こうさくどん

発電所の煙たなびく風もなく真っ直ぐに立つ廃屋越しに    三星 ヒカル

 

平成31年2月の歌会より

柚子の香に湯上がりの肌潤いて喉越しの良さ至福のビール    水すまし

浜街道ハウスの実りいちご郷震災七年十一ヶ月         大須賀 章

カラオケで男四人がボケ防止色気は無いが絆は深い       イタヤンマン

寺小径立春の嵐治って杉の小枝をバリバリと踏む        まさこ

如月の固き地面を押し開けし蕗のつぼみに日差し柔らか     笹谷 逸朗

睡蓮の清らに揺らぐ泥底にわれ等が知らぬ秘密が動く      三星 ヒカル

寒風をものともせずに大空を隊列組んで白鳥北へ        スナメリ

如月の色なき風が万作の黄色を抜けて春にちかずく       小町

床の間に一輪飾った寒椿障子の外は静かに春が         縁寿

支えつつ支えられつつ腕組みて嫗二人は遮断機渡り       いつつばし

 

平成31年1月の歌会より

誕生日敬老乗車証をチャージする君の未来は十倍モード     大須賀 章

季節ごと咲いてくれるよ庭の花手入れをしてた亡母目に浮かぶ  イタヤンマン

カピバラが柚子湯に浮かぶ画面見る我が家の煮物は一切れの柚子 小町

七草の粥の緑を口の中春のいぶきが体に萌える         縁寿

噛みしめし旨き鰰音のよさ善き年願い酒酌み交わし       水すまし

雪道に足跡残し何処行く孤独の街を野良猫一匹         いつつばし

吹雪いてるスキー場見れば滑ってる親子二人でダンスのように  スナメリ

冬の日の雲なき空にカラカラと風に歌いし高き桐の実      まさこ

寒の下サヤエンドウが大地より若緑色に芽吹きはじめり     笹谷 逸朗